保険給付には、医療サービスそのものを提供する「現物給付」と、手当金などを支給する「現金給付」があります。
「現物給付」は、病院などに保険証を提示することで、一定割合の支払いのみで診察や治療などの医療行為(現物)を受けられる給付のことです。
「現金給付」とは、現物給付をするのが難しく立替払いをした場合や、出産や死亡のときなどに支給される手当金など、現金で支給される給付のことです。不二家健康保険組合は、被保険者からの請求により、給付金をお支払いしております。(高額療養費を除く)請求もれのないようにご注意ください。なお、健康保険の給付を受ける権利は2年を過ぎますと時効で消滅します。
保険給付には、健康保険法で必ず支給しなければならないと定められている法定給付と、法定給付に加えて健保組合が独自に給付する付加給付とがあります。
健康保険を扱っている医療機関(保険医療機関)にマイナ保険証等を持参すれば、健康保険で医師の診療を受けることができます。つまり、診療という現物の給付を受けるわけです。このようにマイナ保険証等を持参して受ける現物給付を、療養の給付(被扶養者の場合は家族療養費)といいます。
やむを得ず保険医療機関以外の医療機関にかかったときの医療費、コルセット・ギプス等の治療用装具代、海外で診療を受けたときの医療費などは、本人が一時立て替え払いし、あとで健保組合から現金で払い戻しを受けます。このような現金の給付を、療養費払いといいます。
給付の種類 | 給付の内容 | 支給を受ける手続 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
病 気 ・ け が を し た と き |
療養の給付 | 被保険者は、保険医療機関の窓口にマイナ保険証等を提示すれば、(1)診察、(2)薬剤・治療材料の支給、(3)処置・手術等の治療、(4)入院・看護等の給付を受けられる。
|
保険医療機関の窓口にマイナ保険証等を提示 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
家族療養費 | 被扶養者は、被保険者と同様にマイナ保険証等で診療を受ける。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
入院時食事療養費 | 被保険者または被扶養者が、保険医療機関に入院した場合、食事療養の給付(給食)を受けられる。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
保険外併用療養費 | 保険診療の対象とならない特別なサービスを含んだ医療を受けた場合は、一般の医療と共通な部分は保険外併用医療費として健康保険で受けられる。この場合、一部負担金に加えて、患者が選んだ特別サービスの費用を自費で負担する。 保険外併用医療費の対象となる特別なサービスには、(1)将来的に保険診療として認めるかどうか評価を行う「評価療養」(@先進医療、A保険収載前の医薬品の投与、B保険適用前医療機器の使用、C保険収載医薬品の適応外投与、D適応外の医療機器の使用など)、(2)保険診療として認めることを前提としない「選定療養」(@特別室への入院、A予約診察・時間外診察、B保険適用外の材料による前歯の治療・総義歯の作成、C200床以上の病院での初診・再診、D入院の必要性が低い180日を超える入院、E制限回数が設けられている医療行為の制限回数を超えた治療、F13歳未満の小児のむし歯治療後の継続管理)、G後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の処方を希望する場合がある。 |
特定承認医療機関または保険医療機関の窓口にマイナ保険証等を提示 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
訪問看護療養費 家族訪問看護療養費 |
在宅の末期がん患者、難病患者等である被保険者または被扶養者が、かかりつけの医者の指示に基づいて訪問看護ステーションの訪問看護を受けられる。
|
訪問看護ステーションに申込書を提出 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
療養費 第二家族療養費 |
被保険者または被扶養者が、(1)急病でマイナ保険証等を持たずに受診したときや、やむを得ず保険医療機関以外の医療機関にかかったときの医療費、(2)コルセット・ギプス・義眼等の治療用装具代、(3)輸血の血液代、(4)はり・きゅう・マッサージ、(5)海外で診療を受けたときの医療費などは、患者が一時立て替え払いし、健保組合の承認を得れば一定基準の現金が払い戻される。 |
療養費支給申請書に領収書等を添えて健保組合に提出 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
移送費 家族移送費 |
被保険者または被扶養者が、療養のため転院等をするとき、歩行困難な場合の移送に要した費用(交通費)は患者が一時立て替え払いし、健保組合の承認を得れば一定基準の現金が払い戻される。 | 移送費支給申請書に領収書等を添えて健保組合に提出 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
高額療養費 合算高額療養費 |
被保険者または被扶養者が同一医療機関において1人1ヵ月の自己負担額が次の計算式で得た額を超える場合に支給される(低所得者の方は、35,400円を超えた額)。また、世帯合算、多数該当等の特例で支給される場合もある。
|
健保組合にて自動計算し、支給されます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
高額療養費(外来年間合算)支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
高額医療 高額介護合算療養費 |
医療保険、介護保険両制度の自己負担額が著しく高額になる場合の負担軽減の制度です。医療費の自己負担額(高額療養費、付加給付を控除した額)と介護保険の自己負担額(高額介護サービス費を控除した額)を合計し、自己負担額(年額)を超えている場合、申請により超えた金額が高額介護合算療養費として支給されます。 【支給要件】
【申請の流れ】 @お住まいの市区町村の介護保険担当窓口へ申請手続きをして「介護保険の自己負担額証明書」の交付を受ける。 A「高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」を記入し、@で交付された書類を健保組合へ提出する。 B「高額介護合算療養費」は加入されている介護保険、健康保険からそれぞれ費用分担に応じた割合で給付されます。 |
高額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書を健保組合に提出 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
傷病手当金 | 被保険者が療養のため3日以上連続して仕事を休み、給料を受けられないとき、4日目から休業1日につき[直近12ヵ月の標準報酬月額を平均した額÷30]の3分の2が、通算1年6ヵ月の範囲内で支給される。 | 傷病手当金請求書を健保組合に提出 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出 産 し た と き |
出産育児一時金 家族出産育児一時金 |
被保険者または被扶養者が、妊娠4ヵ月(85日)以上で出産(生産・死産・早産・流産)したとき、1児ごとに 500,000円(産科医療補償制度未加入機関で出産した場合は488,000円)が支給される。 【産科医療補償制度】 制度に加入している機関で出産すると、赤ちゃんが脳性まひになった場合に総額3,000万円の補償金が支払われる制度です。詳しくはこちらを参照してください。加入機関で分べんした場合の「出産育児一時金」は500,000円となります。ただし、制度対象分べんであることを証明する所定印が押された領収書の写しを添付し、申請する必要があります。 |
出産育児一時金請求書と被扶養者異動届を健保組合に提出 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
被保険者があらかじめまとまった現金を用意したうえで、医療機関等の窓口において出産費用を支払う経済的負担の軽減を図ることを目的として、出産育児一時金等「直接支払制度」・「受取代理制度」があります。 【直接支払制度】 直接支払制度とは、被保険者等が医療機関等との間に出産育児一時金の支給申請と受け取りにかかる代理契約を締結したうえで、その医療機関等が被保険者等に代わって、出産育児一時金等の支給額を限度として、健康保険組合へ申請し、それを受け取るというしくみです。 <直接支払制度を利用する場合> @出産のために入院した医療機関で、直接支払いに合意する文書に署名します。 健康保険組合への申請は不要となります。 A出産費用が500,000円(産科医療補償制度加入の場合)未満で収まった場合は、健康保険組合へ出産育児一時金等内払依頼書に支払明細書を添付して差額請求してください。 【受取代理制度】 受取代理制度とは、被保険者等が医療機関等を受取代理人として出産育児一時金を健康保険組合に事前に申請し、医療機関等が被保険者等に対して請求する出産費用の額を限度として、被保険者等に代わって出産育児一時金等を受け取るしくみです。 <受取代理制度を利用する場合> @受取代理制度を導入する医療機関等において出産を予定している被保険者等は、健康保険組合に「出産育児一時金等支給申請書(受取代理用)」を提出します(ただし、出産予定日まで2ヵ月以内の方)。 医療機関等への申請は不要となります。 A出産費用が500,000円(産科医療補償制度加入の場合)未満で収まった場合は、自動的に健康保険組合より差額をお支払いします。 |
出産育児一時金等内払金支払依頼書、支払明細書添付 出産育児一時金等支給申請書(受取代理用) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出産手当金 | 被保険者が出産のため仕事を休み、給料を受けられないとき、出産の日(予定日より遅れたときは予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)〜出産の日後56日の範囲内で、休業1日につき[直近12ヵ月の標準報酬月額を平均した額÷30]の3分の2が支給される。 | 出産手当金請求書を健保組合に提出 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
死 亡 し た と き |
埋葬料(費) | 被保険者が死亡したとき、埋葬を行った被扶養者に50,000円が支給される。 被扶養者以外の人が埋葬を行った場合は、上記の額の範囲内の埋葬費が支給される。 注)「埋葬許可書の写」等、死亡を証明する書類の添付が必要。 |
埋葬料(費)請求書を健保組合に提出 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
家族埋葬料 | 被扶養者が死亡したとき、被保険者に50,000円が支給される。 注)「埋葬許可書の写」等、死亡を証明する書類の添付が必要。 |
医療機関に入院したとき、高額療養費が発生した場合、事前に健康保険組合へ「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」を受領後病院へ提示すれば、高額療養費分を差引いた金額を病院へ支払えば済みます(現物支給)。従って、多額の現金を支払う必要がなくなります。
不二家健保では、自己負担額がレセプト1件当たり、25,000円を超えた場合、自己負担額から25,000円を控除した額を給付するという付加給付制度があります。
(高額療養費に該当する額がある場合、高額療養費を控除した額から25,000円を控除する)
給付額を計算式にしますと次のようになります(算出額500円未満不支給、100円未満切捨て)。
付加給付額=窓口負担金(3割)−25,000円
つまり、高額療養費の対象にならなくても、付加給付制度の対象になれば、給付金が発生します。
例1 |
付加給付額=51,000円−25,000円=26,000円 |
例2 |
付加給付額=90,000円−高額療養費−25,000円=55,430円 還付金=9,570円+55,430円=65,000円 |
※付加金の対象とならないもの
(1)保険外併用療養費に係る自費負担分(ベッド差額代等)
(2)入院時食事療養費に係る標準負担額(1食につき食事料として、490円は自己負担となり、490円を超える部分は、療養費と同じ扱いになる)
(3)自費診療の費用
(4)院外処方の薬剤
退職後でも受けられる健康保険の給付 |
---|
|